ゴッドハンド再び! 有馬記念(G1、芝2500メートル、23日=中山)の枠順公開抽選が20日、都内のホテルで行われた。ファン投票3位の障害最強馬オジュウチョウサン(牡7、和田正)は、1枠1番に決まった。武豊騎手(49)は一昨年、昨年のキタサンブラックに続き3年連続で白帽子の1枠を引き当て、会場を大きく盛り上げた。レース当日も何かが起こりそうなムードだ。有馬記念は今日21日から一部WINSで金曜発売が行われる。

その瞬間、約500人が集まった会場に大きな歓声が起きた。10番目に回ってきたオジュウチョウサンの抽選。だれもが武豊の右手に注目した。和田正師に「僕でいいですか」と尋ね、引いた紙に記されていたのは1枠1番。キタサンブラックで16年1枠1番、17年は1枠2番。3年連続の同枠に「驚きましたね」と思わずのけぞった。「欲しかった枠。思い切って乗るだけです」。神の手をまた見せつけた鞍上は、静かに闘志を燃やした。

JRA・G1は通算75勝を誇る。馬番(1)は、(5)と並んで自身最多タイの8勝を挙げている枠。13年ダービーのキズナや16年ジャパンCのキタサンブラックなども白帽をかぶって勝利に導いた。和田正師は「盛り上がりましたね。まさかこういう形になるとは。内めの枠が有利なのは明白ですから」と、絶好枠獲得の運の強さに感謝した。

ファン投票3位は、過去62回の長い歴史の中で89年イナリワン、96年サクラローレルの2頭しか勝っていない。だが岡部幸雄、池添謙一らに並ぶ有馬記念最多3勝の武豊は、記憶に残る数々のドラマを、絶妙、鮮やかな手綱さばきで演じてきた。90年オグリキャップ、06年ディープインパクト、17年キタサンブラック・・・。名馬の引退レースを飾ってきた。「何かが起こればいいなと、思っています。頑張ります」と言った。

平地2連勝、多くのファンの支持を受けて、障害最強馬が年末のグランプリにたどりついた。「昨年はキタサンブラックの騎乗者でしたけど、オジュウチョウサンで、ここに来るとは思ってもいなかった」。今年背負うのはオジュウの夢とファンの夢。前人未到のJRA通算4000勝を超える名手が、平成最後の有馬記念で劇的なドラマの主役になる。【久野朗】

◆この日のオジュウチョウサン 石神騎手が手綱を取り、南D(ダート)コースを半周して、2コーナー奥に設置されたゲートに向かった。その間、何度となく尻っぱねをするなど元気いっぱい。かなり気合も乗ってきた。ゲートは1回入れて、しばらく静止させた後、後ろから出した。和田正師は「1回立て直してその後は順調です。しっかり乗り込めたし、追い切って気持ちも前向きになってきました。期待感とは別に想像を超える力を発揮する時がある馬ですから」。陣営のムードも上々だ。

◆抽選の流れ

(1)土屋と松坂交互に ゲストのJRA年間プロモーションキャラクター(奇数順は土屋太鳳、偶数順は松坂桃李)が箱からボールを引く。

(2)騎手調教師引く ボールの中に書かれた馬の騎手調教師が数字の書かれたボールの入った箱からボールを引く。これを16回繰り返し、枠順が決定する。今年は「有馬記念フェスティバル~公開枠順抽選会」として、都内のホテルで行われた。